レコード・コレクターズ誌10月号が書店に並んでおります。拙連載「ビートルズ来日学」の、レココレでの連載はこれが最終回。ビートルズ世界同時リマスター盤発売の大特集号であった2009年10月号から、ちょうど10年間となります。
ビートルズに関する研究書が世界中で何十万冊刊行されているか想像すればおわかりのとおり、今やビートルズに関する新事実が発見されることは「惑星の発見のように」極めて稀なできごとです。ところが来日学で、ビートルズに接した方々にインタヴューするとお一方の談話の中に、新事実がごろごろあるのです。未発表インタヴューはまだまだあるため、これを私の中にとどめておくのは人類の損失と確信しております。もしその意義をご理解いただける媒体があるようでしたら、いつかどこかでそれらを発表できることでしょう。そこは天の采配に委ねたいと思います。
この号の第一特集は「アビー・ロード」。(以下、ペースト)
【特集】 ザ・ビートルズ『アビー・ロード』
1969年1月に行なわれた“ゲット・バック・セッション”で原点に返ろうとしたビートルズですが、その試みはうまくいかずお蔵入りしてしまいます。後にそこから『レット・イット・ビー』が作られるのはご存じの通りですが、7月から改めて本格的にレコーディングが行なわれ、そこで制作されたのが『アビー・ロード』でした。ビートルズの作品の中でも非常に人気が高いこのアルバムの魅力を、リマスタリング版やレア・テイクも含む50周年記念盤を手に再検証します。
■ 無限の可能性を秘めた、ザ・ビートルズとしての“ジ・エンド”(大鷹俊一)
■ レコスケくん[『アビー・ロード』の足並み]の巻(本秀康)
■ みんなでベーシック・トラックを録音してるからオーガニックだし印象が古くなりにくいアルバムだね(鈴木惣一朗/ワールドスタンダード)×直枝政広/カーネーション、構成=松永良平)
■ ポール・マッカートニーが願う“昔のような”アルバム制作はかなったか(中村公輔)
■ 全編に漂う複雑かつハイセンスな音使いとアイディアの幅広さ(青山陽一)
■ 『アビー・ロード』全曲歌詞解説(朝日順子)
■ 今や名所となった“横断歩道”のジャケットはなぜ生まれたのか(藤本国彦)
■ “恐るべき手腕”の持ち主:アレン・クラインの功罪を探る(犬伏功)
■ 『アビー・ロード』全曲ガイド(萩原健太)
■ 50周年記念エディション解説(森山直明)
■ 初盤道 拡大版~『アビー・ロード』(真保安一郎)
■ グラフィック・ステーション~『アビー・ロード』各国盤/シングルほか
■ ジョン・レノン&オノ・ヨーコ『アバーヴ・アス・オンリー・スカイ』(安田謙一)
■ 映画『イエスタデイ』(長谷川町蔵)
(ペースト終了)
第2特集ほか詳細は、下の表紙画像をクリックすればご覧いただけます。
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